2019年05月12日

安楽寺

哲学の道を散歩した時、安楽寺という寺に立ち寄ってみた。

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法然の弟子、住蓮と安楽が後鳥羽上皇の寵愛した女官を出家させたというので死刑になり、法然自身も流刑になった。いわゆる「建永の法難」である。安楽寺は、その死刑になった僧たちゆかりの寺だ。

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だからこの寺の売りは、松虫・鈴虫というその女官たち。当時19と17であり(数えだから17と15だったかもしれない)、綺麗だったらしいから、売りになる。堂内にはこの二人のイラストやら絵本やら、この二人の出家を題材にした声明やらが置いてあった。華やかな院の御所で栄耀栄華を極めたが、それだけに人の妬みやそねみが辛く、世のはかなさを感じたとか。

これは、何となくしっくり来る話というか、「体制に抑圧されていた鎌倉新仏教」のイメージと合っている。未成年の女の子が被害者になっている辺りも心憎い。ははあ、天皇家はちゃんと反体制派を弾圧しているではないか。

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ただ、松虫とか鈴虫とか、室町時代に付加された名前らしい。あくまで脚色された「建永の法難」物語なのだ。

宗教には「体制を維持する機能」と「体制を革新する機能」の両面があると言われているが、法然の法灯も例外ではない。新興勢力として出て来たものの、その後は貴族や武士の庇護を受けているし、江戸時代には徳川家の菩提所として隆盛を誇った。法然は天皇から「平成」に至るまで八つも大師号をもらっている。

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まあ、でも両義的なのであれば、両義的な語り方双方を担保しておくのがいいように思う。

私自身、天皇制を何としても是が非でも攻撃せねばならぬと思っているわけでもないので特段かまわないのだが、世の中にこうまで批判が少なくなっては、何となくもの足りないのである。元号とか面倒くさいしね。

*安楽寺
仏教 浄土宗単立
〒606-8422 京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町21
075-771-5360
(阪急四条河原町駅より市バス32系統銀閣寺前行「南田町」下車、山に向かって徒歩5分哲学の道より一本山際の、通称”隠れ道”に面している。法然院の南側。石段の上に見える山門が目印。)
管理人の訪問日:2018年11月18日
posted by HIRO at 10:21| Comment(0) | 仏教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする