2014年04月13日

東大寺(奈良)

一頃はちょっと話題になったが、最近は気にもかけられなくなったようだ。しかし、彼はいなくなって気にもかけられなくなったのではない。あの頃はすぐに淘汰されて消滅すると考えられていたにも関わらず、「存在することが当然になったから」気にもかけられなくなったのである。

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奈良の人に「せんとくん」をどう思うか聞くと、「嫌だったが慣れた」と言う。

私も最初見たときはひどく嫌悪感を催し、あまりのおぞましさに思わず目をそむけたくなった。そして同じ関西人として奈良の人にひどく同情したものだ。

これを作った人は「童子に鹿の角が生えた姿」としているが、当時は「仏さまを冒とくしている」という仏教勢力からの批判がずいぶんあったようだ。

しかしお坊さんたちの反対を押し切って奈良県庁がこれを「ゆるキャラ」として定着させた。「聖と俗」が戦い、「俗」が勝った格好だ。

長年にわたり、奈良ではお寺や神社が政治的に強い権力を握っていた。興福寺、東大寺をはじめとする寺社勢力はかなり横暴にふるまった時期もあったらしい。「せんとくん」は、そんな寺社勢力に対する、世俗権力の側の怨念を感じさせる。

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そのような思いにひたりながら、東大寺大仏殿の参拝を終えかけた。土産物コーナーでふと足をとめると、そこには無造作に「せんとくん」のぬいぐるみが積み上げられていた。

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思わず身震い。こんな世俗権力の悪意の産物を、よりによって東大寺で?大仏様は怒っておられないだろうか?

おそるおそる後ろをうかがう。

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、、、、、、、、見れば、大仏様は全く気にされないご様子。どうでもいいといいった風。

「ボートクとか、そんなん気にせえへんわ。わし、焼かれたこともあるし」

金と権力にまみれながら、兵火を乗り越えて生き残ってきた東大寺。僧兵もイスラム研究者も出した東大寺。世俗の色んな思惑やつまらない分別も、淡々と集金に利用してしまうぐらいに、したたかだということだ。

あをによし ならのみやこの ひむがしの 
びるしやなぶつは にひるにおはす

*東大寺
仏教 華厳宗
630-8211 奈良県奈良市雑司町406−1
0742-22-5511
(JR、近鉄奈良駅下車)
管理人の訪問日:2013年8月13日
posted by HIRO at 19:19| Comment(0) | 仏教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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