2014年07月14日

関帝廟(神戸)

中国の人々は、とにかく異郷にあれば関羽を祭る廟を造るのだろうか。神戸華僑も1888年から関帝廟を守ってきた。

神戸の関帝廟というのは、私は小さい頃から知っていて、ずっと竜宮城のような所だという印象があった。とにかく「すごくチャイナなもの」という感じ。

DSCN3969.jpg


しかし、廟で頒布している小冊子によれば、こちらは「ユニークな日中折衷の建築」。つまり、「純中国風」という思い込みは間違いで、日本的な要素も入っていたわけだ。なんでも、今の関帝廟は1948年に再建したものだが、この時造ったのは日本人の大工棟梁。日本の伝統的な建築に中国風の意匠や様式を取り入れた形なのだという(中華会館編 2008:8)。

あるいは、日本の大工さんが「中国ってこんな感じだよな」とか思いながら造ったから、私にはすごく中国風に見えるだけで、中国の人が見たらあんまり中国風じゃないのかも。イギリス人俳優が演じる「エルキュール・ポワロ」を本物のベルギー人が見ても、あんまり「ベルギー風」には見えないのだろうから、きっと(私には永久に理解できない心持ちだが)。

確かに、この関帝廟の本殿を薄目でよく睨み付けた上で、想像の中で屋根の上の龍や彫り物を取り去り、色がうんと地味になったところを想像すれば、日本風の建築に見えてくる。しかし、外観や雰囲気はやっぱり「中国風」。日本の大工さんも頑張った。

DSCN3974.jpg


それからこの関帝廟、入口入ってすぐの所に、「手水所」がある。日本の神社では必ず「手水所」があり、参拝者が手や口を清めることになっているが、中国寺院では珍しい。

DSCN3970.jpg


又、こちらの関帝廟境内に祭られている地蔵菩薩は、日本でよく見られる石仏である。地蔵菩薩は中国でもポピュラーな菩薩だが、中国寺院に安置されている地蔵菩薩像は『西遊記』の三蔵法師のような恰好をしていて、このような日本風の石仏とはだいぶ違う。

なるほど、「日中折衷」だ。

DSCN3966.jpg


ちなみに、本殿脇になんとも不可思議な動物の像が祭られていた。これは福建のものなのか、沖縄とも東南アジアともつかぬ、不思議なテイスト。案内の用紙には、「喉呀」と書かれていた。獅子に見えるが、「喉呀」が「猴爺」だとすればサルなのだろうか。

幼いころから慣れ親しんでいると思い込んでいても、分からないことは多いものだ。

参考文献
中華会館編 2008『関帝廟』社団法人中華会館(神戸).

*関帝廟(神戸)
仏教(現在は特定の宗派に属さず中華会館が管理する)
〒650-0004 兵庫県神戸市中央区中山手通7丁目3−2
078-341-2872
(神戸市営地下鉄「県庁前」から西へ徒歩10分。阪急「花隈」西口より北へ徒歩10分。)
管理人の訪問日:2014年6月29日
posted by HIRO at 22:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 仏教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
検索エンジンで喉呀を検索してて来ました。
私も長いこと関帝廟の喉呀が何の神様か気になっていました。
多分「虎爺」だと思います。

先日台湾に行って知ったんですが。
虎爺は、北京語では「フーイエ」ですが、
福建省南部〜台湾で使用されている閩南語では「ホウヤー」と発音します。
また、北京語の「喉呀「ホウヤー」」と発音が全く同じなので、虎爺の「ホウヤー」という発音を、北京語発音の漢字に当てはめたのが喉呀だと思います。

虎爺は、台湾の廟で、主神の下にチマッ☆と居る、主神のお付きの神様です。とても分かりにくい場所にいる神様なのですが、地元台湾の方は、参拝の際、主神の下でしゃがんで、きちんと虎爺にも線香を立てているくらい、信仰の厚い神様です。可愛いので、YAHOOやグーグルなどの画像検索で、是非ともご覧下さい。(*´∀`*)
Posted by ほちょ at 2015年10月12日 14:25
管理人でございます。なるほど、これ自体が当て字だったわけですね。ご教示有難うございます!
Posted by HIRO at 2015年10月13日 18:33
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック