2014年12月20日

どんどろ大師善福寺

大阪真田山の近くに、「善福寺」というお寺がある。

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ただ、この善福寺、善福寺である割には「ここは善福寺です」ということはあまり強調していない。代わりに至る所に「どんどろ大師」の文字が見える。山門に吊り下げられた提灯に「どんどろ大師」の文字。石碑にも「どんどろ大師」と彫られている。

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人形浄瑠璃、歌舞伎の「傾城阿波の鳴門」に「どんどろ大師門前の場」という場面があって、知っている人は知っている。ちゃんと古典芸能にも登場する有名なお寺なのですよと主張するために、その場面を再現した銅像が山門脇に造られている。

まさに「どんどろ」だらけだ。

お寺にも神社にも、往々にして「通称」というのがある。昔から民衆に人気のある寺社には、「ナントカ山ナントカ院ナントカ寺」という堅苦しい正式名称とは別に親しみやすいニックネームがつくことが多い。

この「どんどろ大師」という名前は、「鏡如庵大師堂」についた通称である。大坂城代だった土井利位が信仰したので、「土井殿の大師」がなまってその名になったという説があるが未詳(上六うえいくネット 2014)。江戸時代の主要エンターテイメントだった文楽の舞台になるぐらいだから、相当有名な大寺だったのだろう。

この「鏡如庵大師堂」は後に廃絶し、明治時代に能勢にあった「善福寺」がその廃寺跡に移転する。「善福寺」は引っ越し先での寺門興隆にかけたのだろう。かつて「鏡如庵大師堂」につけられた「どんどろ大師」の名をそのまま使用した。

えっ?じゃあニセモノじゃん、という話になりそうだ。ところが、そうではないのだ。

「善福寺」の宗教法人としての正式名称は「どんどろ大師善福寺」。つまり、この寺は通称ではなく法的に正々堂々と「どんどろ大師」なのである。「鏡如庵大師堂」が現存しない以上、誰かに文句を言われる筋合いもない。

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そういう次第だから、提灯やら石碑やら銅像やらを使って殊更に「当寺はどんどろ大師なり」と主張しているわけだ。

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境内は狭い。狭い中に、色んな祠や石仏が並べられている。その中で目立っているのは、「勝軍地蔵」。お地蔵さんには珍しく、兜や甲冑を身につけた強面の石像。この菩薩を拝むと戦いに勝つと言われている。

箕面の勝尾寺に行ったときにも思ったのだが、どうも「勝運」をご利益にしている寺は、やっていること言っていることが図々しい。

が、それも又よし!何せ「どんどろ」などという素敵な音の配列を今に伝えてくれたのだから。大阪人は厚かましくなくては。

参考文献
上六うえいくネット 2014「観光名所 善福寺[どんどろ大師]」『上六うえいくネット』
http://www.ueroku-wake.net/fmplace/cultural/zempukuji.php

*どんどろ大師善福寺
仏教 高野山真言宗
〒543-0012
大阪市天王寺区空堀町10番19号
(JR「玉造」下車、西へ約700M、明星学園北側。)
管理人の訪問日:2014年11月24日
posted by HIRO at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 仏教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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