2014年12月28日

臂岡天満宮

伊丹市内に「臂岡天満宮(ひじおかてんまんぐう)」という神社がある。

DSCN5137.jpg


その本殿前の由緒書によれば、大宰府に流される菅原道真がここにきて、あられ茶を飲みながらひじを枕にして寝たからこのような名が付いた、という。それから、彼が去るとき地元の人たちがおにぎりをあげたから今でも祭礼の時におにぎりを作るのだとか書いてある。名前の由来はともかく、おにぎりの話は必要なのか。

DSCN5142.jpg


もとは祟る神だった菅公だが、今ではすっかり受験の神様で、合格祈願の絵馬がたくさん懸けられていた。住宅地の中にあって、さほど規模の大きな神社でもないのに、神主さんはしっかりしていると思う。

DSCN5149.jpg


境内末社に目を転じると、「三宝社」というのがあった。これは関西人が大好きなかまどの神さんだろう。もともと「三宝荒神」で、神仏分離の際に神道の神(ホムスビ、オクツヒコ、オクツヒメ)にしたのだと思われる。それでも、「三宝荒神」の「三宝(仏法僧)」という仏教の部分だけとっているところが面白い。

片隅にひっそり石仏が祭られているのも仏教的要素だ。もっとも「神社なのにお地蔵さんがある」というこのパターン、最早いちいち「神仏習合の名残りだやっほー」と喜ぶのも飽きるほど見てしまった。でもやっぱりちょっとうれしい。

DSCN5146.jpg


地蔵のそばに、祠の屋根をのせた木の切り株があった。これは樹木の霊魂への崇拝であろうか。「神仏習合がどうのこうのというより木や石に精霊が宿るという原初的信仰形態なんだよ分かったかな」と教えてくれるようだ。

アニミズム、御霊信仰、偉人の顕彰、神仏習合・神仏分離、近世・近代的な現世利益、共同体の祝祭、神社経営のための宮司の苦心、、、小さな境内に、日本の神道史が凝縮されている。

近所に、何気なくこんな素敵なところがあるのはうれしくてしようがない。神社は日常空間におけるちょっとした奇跡だ。

*臂岡天満宮
神道
664-0011 兵庫県伊丹市鋳物師1-103
072-770-1212
(伊丹市営プールより脇道北へ約1キロ。)
管理人の訪問日:2014年10月29日
posted by HIRO at 19:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 神道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック