2015年09月21日

因幡薬師(平等寺)

たまたまなんだろうか、因幡堂の近くまで来ると、道行く人が皆このお寺に向かっているように思われた。若い人はいない。小さなお寺で、旅行客が来ることはあまりないような感じだが、お年寄りの参拝客で賑わっていた。

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由緒書によれば、本尊薬師如来立像は藤原時代の一木造で、重要文化財。ただ、この薬師如来は「文化財」というよりは「信仰の対象」である。嵯峨釈迦堂の釈迦如来、信濃善光寺の阿弥陀如来とともに、日本三如来の一つなのだそうだ。

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入口の看板には「病難厄除 ガン封じ 子授け 勝運」とあるが、お寺のウェブサイトを見ると、明らかに「ガン封じ」を強調している(因幡堂 2012)。高齢者ねらいだ。実際、それで老人たちが集まっている様子。

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境内は小ぢんまりとしているのだが、本堂脇の狭いスペースに、石像やら祠やら、色んなものがごちゃごちゃ置いてあるのが面白かった。

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本堂左手の聖天さんのお堂の前では、地面に頭を打ち付けて礼拝している人を見た。聖天(歓喜天)は怖い神様だが真剣に信心すればご利益も大きい、とされているので、さもありなん。観光寺院とはまるで違う。

聖天さんのお堂のさらに奥には「十九所権現」と称するお社。由緒書によれば、後白河院がこの寺を参拝したとき、住職に寺の鎮守はいかなる神かと聞いた。住職が「武内宿禰(たけのうちのすくね)です」と答えると、院は「生身の如来」を護衛するのに武内朝臣だけでは力不足だと言い、院宣で十八所の神々を勧請した。その後ある人の夢に西宮夷(えびす)の嫡子・一童御前が現れ、自分も入れてほしいと頼んだ。住職が院にお伺いを立てると院は許可したので、彼も入れて十九所の神々が鎮守になった、という。

とても楽しい話である。

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で、その十九所が書いてあった。天照大神、八幡、春日、賀茂、祇園、愛宕権現、松尾、熊野、北野、山王、住吉、摩利支天、妙音、弁天、白鬚、多賀、平野、御霊、蛭子(一童御前)。

皇室・摂関家のご先祖や非業の死を遂げた祟り神も含め、日本とインドの大スターたちがボディーガードになっている、というのがすごい。それだけここの薬師如来が大切な存在だというわけだ。

「武内宿禰」の名前がないのは解雇ということか。

参考文献
因幡堂 2012「因幡堂(平等寺)のご参拝・ご祈祷のご案内」『因幡堂(平等寺)がん封じ お参りは因幡薬師へ』(因幡堂の公式サイト)
http://www.inabado.jp/sanpai.html

*因幡薬師(平等寺)
仏教 真言宗智山派
〒600-8415京都市下京区因幡堂町728 
075-351-7724
(阪急「烏丸」あるいは地下鉄「四条」から南へ5分。地下鉄「五条」から北へ5分。烏丸通から松原通を東へ進み、東洞院通よりも一本烏丸通よりの小道を北進する。)
管理人の訪問日:2015年4月9日
posted by HIRO at 07:45| Comment(1) | TrackBack(0) | 仏教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
聖天様に頭を打ち付けてお願いしてた人です。お見苦しいところをw
Posted by 通行人 at 2017年12月05日 16:17
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