2015年12月29日

西山老君廟

シルクロードで名高い新疆の博物館は、どこでもミイラがある。白色人種のだったり、黄色人種のだったりで、色々だ。この地は気の遠くなるほど長い歴史を持ち、入れ代わり立ち代わり色んな人種・民族の人々がやって来た。

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新疆は漢代、唐代に中国の版図に入ったのち、ウイグル帝国、モンゴル帝国、ジュンガルなどの支配を経て、18世紀に清に征服された。それで住民は、トルコ系、モンゴル系、漢民族など色々。宗教もイスラム教、チベット仏教など様々。

そのくせ土産物屋で骨董として売られているのは「毛沢東グッズ」だったりする。色んな集団が来ては大騒ぎして色んなことをやらかしていくが、その過程で古いものを壊してしまう。だから土を掘ったらすごいものが出て来るが、手元には大したものが残らない。

新疆の中心都市、ウルムチに行く列車の中で河北出身の青年と知り合った。流しのコックで、色んな都市の厨房で働いてきたが、新疆は初めて、という。これからウルムチのレストランで働くのだという彼に、不安はないか、と聞いてみた。

「うーん、何か外国のチャイナタウンで働くような気分だね」

チャイナタウン、、、ウルムチの市区は135万の人がいるが、既に漢民族人口が少数民族人口を超えている。えらくデカいチャイナタウンである。

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実際、漢民族の伝統文化的な建造物もしっかりとある。例えば、市区の西のはずれに「老君廟」という道観がある。1767年の創建とのことだが、文化大革命で破壊されて2003年に再建された。1767年のと2003年のとがどうつながっているのか分からない。新しいもののように見えた。

いや、なんか、新しくて、立派で、門も建物もすごくデカい。敷地は20,640平方メートルあるそうだ。

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主祭神は、老子。太上老君である。あと、観音菩薩に、文昌帝君など、メジャーな神々が祀られている。

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地方では時々、地元の人のための神様が祀られているのだが(例えば上海の道観では庶民を助けて死んだ金三という人が祀られているのだが)、その手のご当地キャラ的なのはいないらしい。

境内の建物の壁には、ここで働く道士たちの紹介が貼ってあった。どこの生まれでどこで修行したのか、とかいうことまで書いてある。新疆生まれの人はおらず、皆他所から来ているようだ。

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「服務項目」というメニューを書いたプレートも見える。四文字熟語で14個。「求簽卜卦」は占い、「択選吉日」はよい日を選ぶこと、「風水調理」は家相をよくするまじない、「超度亡霊」というのは死者に対する供養。「男女合婚」というのは縁結びの類だろうか。まあ色んなサービスが用意されている。

こういう古い習俗に対する需要はちゃんとあるみたいである。門前には占いやら風水やらのお店が軒を連ねていたし、香を焚いて熱心に拝む参拝客もいた。

文革が終わって改革開放が始まって、ウルムチに住んでいた漢民族も、外地からやってくる漢民族も、やっぱり風水や占いがしたくなり、中国古来の神々を拝みたくなったのか。それで道士も来ることになったのか。

かくのごとく「中国」が生成される。

まあ、とりあえずシルクロードの悠久の歴史に、ロマンでも感じておくことにしようか。

*西山老君廟
道教 全真派
中国新疆維吾爾自治区烏魯木斉市西山西街533号
(0991)8728199
(バス14路、45路、70路、72路、529路、532路、921路「104団」下車。)
管理人の訪問日:2013年8月12日
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2015年11月03日

東岳観(上海新場)

上海の地下鉄がのびた時、郊外の「新場」まで行ってみた。駅周辺は無個性に綺麗。ふつうの下町だった「新場古鎮」もだいぶ観光地化され、ちょっとおしゃれなレストランなんぞが出来ていた。「ガチにレトロな所」が「レトロが演出される場所」になって行く。

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ただ、そばにある「東岳観」は正々堂々と、作り物でないレトロっぷり。

80年代の建物なのだが、なまじ数百年前の建物よりもそそられるものがある。なぜか門の上に電光掲示板。この「中途半場に新しくしようとした痕跡」が、いい感じの「だささ」を醸し出していてたまらない。

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東岳大帝の廟だが、他にも色んな神様が祀られていた。眼病を治してくれる眼母娘娘、学問を司る文曲星君。蝗の害から農民を救ってくれる劉猛は今も人気なのだろうか。他、観音菩薩や竜王など、、、

神像を覆っているガラスが灯明で相当にすすけていた。多くの人たちの信仰を集めて来たのだろう。そのすすけているのが、如何にも古びた風情。

開発からポツンと取り残されている感じが曰く言い難い味わいを出している。ここもいつかリニューアルされるのかなと思うと、この時間は貴重である。

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別に見物人のノスタルジーのために建っているわけじゃないから、失礼な話かもしれないけれど。

*東岳観(上海新場)
道教 正一派
中国上海市浦東新区滬南公路7483号
(021)58171432
管理人の訪問日:2014年2月22日
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2015年10月24日

関帝廟(北岳恒山)

関羽を神格化した関帝には、武神と財神の二面がある。戦争の神であり、金儲けの神だ。

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北岳恒山の関帝廟は「黙助軍威」という額の前に「招財進宝家国平安」という垂れ幕が掛けてあった。

何か安心する光景。これこそ中国的、と思いたい。

*関帝廟(北岳恒山)
道教 全真派
中国山西省大同市渾源県北岳恒山
(大同駅からタクシーをチャーターして懸空寺と合わせて300元だったが、これは高いのか安いのか分からない。大同駅から一時間ぐらいか。)
管理人の訪問日:2014年3月25日
posted by HIRO at 05:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 道教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする