2015年05月05日

口縄坂の祠

夕陽ケ丘は口縄坂をのぼった辺りに小さな祠がある。「なんとか洋食店」とか、店の広告が彫ってあったりして、昭和レトロの趣。というか、祠に直接広告を彫り込むって、あんまりない。

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お花もちゃんと活けてある。灯火はこうこうと点いている。なぜか、小ぶりの鯉のぼりが飾ってある。ご近所、あるいはお寺がしっかりお世話しているようだ。こちらに合掌している方たちも、何人も見た。

祠の中をしげしげ見てはいけないのかもしれないが、いくらのぞいても何の神様を祭っているのか分からない。年代物の金網に何やらがたくさん引っ付いていて、中が見えづらいのだ。

レトロな広告付きの祠で、正体不明の神様を、地元の人たちが一生懸命拝んでいる。とってもすてきで、ほどよくシュールな状況ではないか。織田作之助が愛した風景なんだろう、きっと。

*口縄坂の祠
〒543-0075 大阪府大阪市天王寺区夕陽丘町
(地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ケ丘」下車。)
管理人の訪問日:2015年1月20日
ラベル:大阪 日本
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2015年04月21日

うろこの家のポルチェッリーノ

神戸の北野異人館は市が管理してるのと民間がやってるのとあって、民間の方は商売っ気が強い。

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「うろこの家」は、「うろこグループ」というホラー的な名前の会社によって運営されている。前庭に「Porcellino (ポルチェッリーノ)」と称するイノシシ像があった。

そのイノシシの鼻にさわれば幸せになれるというふれこみで、けっこうな人がさわっている。「うろこの家」屋内の窓から何分か観察していたのだが、半分ぐらいの人はさわっているのではないかという勢いだ。

これはフィレンツェに実際あるものの模造品で、現地ではイタリア人もそれをやっているようだ。しかし、日本でこれを見ると、お寺の「おびんずる」やビリケンのような「なで仏」の伝統を想起してしまう。

http://gompa.seesaa.net/article/395690285.html
http://gompa.seesaa.net/article/405030963.html

異人館街の「パワースポット」と称するものは他にもあるようだ(朝日新聞 2010)。このような「縁起物」が、女性に人気がある「おしゃれな」観光地の客寄せの方法として使われているのは興味深い。寺社がご利益を売り出して参拝客を集めたのが日本の観光業の起源の一つだとすれば、「スピリチュアル」と観光ビジネスとが結びつくのも必然なのだろう。

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参考文献
朝日新聞 2010「神戸・異人館街で開運を 「パワースポット」が人気」『朝日新聞』(関西2010年8月21日)
http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201008210076.html

*うろこの家のポルチェッリーノ
うろこの家(旧ハリヤー邸・明治38年築)
〒650-0002 神戸市中央区北野町2丁目20-4
078-242-6530
(JR神戸線・阪急神戸線・阪神電車・神戸市営地下鉄・ポートライナー「三宮」からシティーループで「北野異人館」下車。)
管理人の訪問日:2015年3月31日
ラベル:日本 兵庫
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2015年02月03日

ビリケン神殿(通天閣)

節分の時は日本全国の色んな寺社で豆まきをやるが、通天閣でもなぜか一日前の2月2日にやる。通天閣というのは、かなり意図的に神社を模しているのだ。

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通天閣の展望台のところは「ビリケン神殿」という名前がついていて、黄金のビリケン像が鎮座している。ビリケンというのはアメリカ生まれの福の神とされるが、顔がいかにもアジア系で、大阪人が大好きである。

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このビリケンと七福神とを合わせて、「八福神」として祭る。通常の七福神ではなく、福禄寿を抜いて吉祥天を入れているので、女性が多くなっている形。

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賽銭箱の設置、朱印帳、おみくじ、お守り、絵馬の販売等、一般の神社と同じだ。

1912(明治45)年、この地にあった「ルナパーク」という遊園地が出来、ビリケン堂なる建物がアトラクションとして造られた。遊園地の入口から通天閣までロープウェイでつながっていたという。今の通天閣は当時のものとは異なるが、ビリケンを受け継いだ格好だ。

日本では、伝統的に遊興や物見遊山の中心に寺社があった。「ルナパーク」は寺社を基盤にして出来たわけではなく、ニューヨークのアミューズメントパークを参考に造られた。そこに敢えて福神を祭る辺り、明治の人の発想はすごいと思う。瀟洒な行楽地にコテコテの縁起物、、、それが現代に至るまで持続しているのも絶妙。確信犯的アナクロニズムだ。

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とはいえ、中国語で「吉祥物」と訳され、もともと護符の意味も持つという”mascot”が、現代日本でここまで地方再生の旗印になったのは最近の話。「ビリケン」はむしろ新しいのかもしれない。

*ビリケン神殿(通天閣)
〒556-0002 大阪府大阪市浪速区恵美須東1丁目18−6
06-6641-9555
(JR環状線「新今宮」下車徒歩10分。地下鉄堺筋線「恵美須町」下車徒歩3分。地下鉄御堂筋線「動物園前」下車徒歩10分。阪堺電軌阪堺線「恵美須町」下車徒歩3分。)
管理人の訪問日:2015年1月23日
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