2014年08月01日

オヘル・シュロモーシナゴーグ

子供のころの私の感覚では「一番見る回数が多い神さん」はお地蔵さんだった。行動範囲が多少広まった今は関羽さんだと思う。

関羽がたくさん祭られているのは、三国志の英雄で中国で人気があるから、というのが一番の理由なのだ。それ以外に散らばった華人・華僑がそこかしこに関帝廟を造るから、という理由もある。それで、中国大陸はもとより、東南アジアの至る所、日本でも関帝廟を目にする。

神戸の関帝廟もそうなのだが、中国国内外の廟というのはしばしば「会館」の付属施設だったりする。故郷を同じくする人たちが、異郷にあって「会館」を造り、心のよりどころとして関帝や媽祖といった神を祭るのである。

中国各地で目にしたモスクも、同じような機能を果たしているのだろう。イスラムを信仰する人々は、中国ではマイノリティだが、ほとんどの大都市にモスクが建っている。モスクは、必ずしもその地を故郷としないムスリムの人々の意見交換の場であり、相互扶助の場なのだろう。

華僑にしても回族にしても共通するのは、異境に在って、多くの場合商業に従事していること、しばしば差別の対象になること、である。「ディアスポラ」の民だ。

これは華僑とか回族ではなく、在日コリアンの友人に聞いた話なのだが、民族学校のような場所はとても安心できるのだそうだ。日本人としては、日本社会が在日を差別する人ばかりとは思いたくないのだが、どの人が差別するか分からないのは事実だ。友人にとって、在日ばかりが集まっている空間というのは居心地がよかったという。

関帝廟やモスクも、民族学校と同じような機能を果たしているのかもしれない。宗教施設というのは、ディアスポラの民にとって、さしあたっての逃げ場なのだ。

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もともとの「ディアスポラ」の民、ユダヤ人も、各地にユダヤ教の会堂「シナゴーグ」を造って肩を寄せ合ってきたようである。

東南アジア各地に関帝廟があるように、中国各地にモスクがあるように、ヨーロッパや中東の各地にはシナゴーグがあるのだろう。

日本にシナゴーグは少ない。東京に一つ、神戸に一つあるだけだ。

とはいえ、この神戸のシナゴーグが歴史的に重要な役割を果たしたことがある。

ナチスがユダヤ人を迫害した時代。リトアニアで杉原千畝のビザの発給を受けたユダヤ人は、敦賀港から日本に入国し、ユダヤ人コミュニティのある神戸に来たのだそうだ。その後、神戸から別の国に渡航した。

コミュニティの中心であるシナゴーグは、当時とは場所も建物も違うようだったが、ここの近くまで行ってみた。

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入りたかったが、「一般公開」していない。

まあそれはそうだ。別に他人に見せる必要はないのだから。外観だけ見ることにする。

シナゴーグがある風景というのは、私にはなじみがない。「お地蔵さんが多いと思ってたけど、関羽さんの方が多いんだ」というぐらい感覚が貧困だから。見聞のせまさは引き出しのなさ。ふーん、これがそうか、という程度。

とはいえ、神戸で育った私としては、神戸にシナゴーグがあって、本当によかったと思う。他人ながら。

*オヘル・シュロモーシナゴーグ 
Ohel  Shelomo Synagougue
ユダヤ教 セファラディ系
兵庫県神戸市中央区北野町4丁目12-12  
078-242-7254
(JR・阪急「三宮」から北へ徒歩20分)
管理人の訪問日:2014年6月29日
posted by HIRO at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ユダヤ教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月15日

摩西会堂

Ohel Moishe Synagogue
ユダヤ教
上海市虹口区长阳路(原华コ路)62号
(021)65126669
地下鉄12号線「提藍橋」下車
管理人の訪問日:2009年5月5日

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上海は本当に色んなところから色んな人が集まる国際都市で、昔は色んな国の人が租界に自分たちの宗教施設を作った。その中にユダヤ教のシナゴーグもある。

今では宗教活動の場として用いられていないのだが、ここには「上海ユダヤ難民記念館」があり、1940年代に日本がナチスとの協定によって上海にユダヤ人ゲットーを作ったことが紹介されていた。

また、「ヴィザ発給の形でユダヤ人を逃がす方法を最初に発案した」という在オーストリア中国大使、ホー博士(何鳳山)の写真がでかでかと掲げられ、顕彰されている。

あれ、杉原千畝は?と思ってみたら、ホー博士の写真の横に、ちょうど半分ぐらいの大きさの写真が掛っていた。
posted by HIRO at 11:13| Comment(0) | ユダヤ教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする